この技法では、まずワックス原型を制作し、それをゴムまたはセラミック製の円錘台に取り付けます。 原型を取り出し、前回と同じように鋳造してください。 円錘台に鋳造リングをはめ込んでワックス原型の周囲を揮い、 鋳造リングの内部に石膏とシリカを混合した埋没剤を注ぎ込んで上で、鋳造リングごと、熱した炉の中に入れます。
写真1:鋳造リング
ワックスが溶けたら、ワックス原型の型穴が刻まれた埋没剤を固めます。ワックスが溶け、埋没剤が適切な温度に達したら、鋳造リング を炉から取り出して、バネ式の留め具で遠心鋳造機にます。 地金をルツボの中で溶かします。ルツボを、鋳造リングの開口部に揃えて固定します。 地金が完全に溶けたら熱源を外して鋳造機の留め具を外し、 溶解した金属を鋳型に注ぎ込みます。 湯口を付けた時点で、重さを計っておきます。
原型用のワックスに、デザインパ ターンを描きます。コンパスやケガキなどで線を引いたのちにスパチュ ラーで細かいモチーフを彫り込んでいけば、正確に描くことができます。 ここでは、細かい模様を彫り込んで鋳造できることと、シルバーの完成作品 の重量がワックス原型のおよそ10倍になります。
ワックスに模様っが描けたらその部分を糸ノコでブロックから切り、ヤスリをかけて糸ノコの刃跡をすべて消します。最終的な修正を加え、 表面を滑らかに磨きます。
鋳造リングを円錐台にはめ込みます。ワックス原型と鋳造リングの 側面との間が15mm以上、原型から鋳造リングの上端までが2~3cmあいていることを確かめます。
鋳造リングの上に盛り上がった埋没剤を削り落と します。さらに2-4時間、自然乾燥させます。
鋳造リングと円錐台を強くたたき、台を外します。鋳造リング 台がゴム製の場合は、たたかなくても外せます。湯口の端からスプルーワッ クス(湯口用ワックス)が見えているはずです。
埋没剤を2~4時間自然乾燥させてのち、湯口を下に向けて鋳造リング を炉に入れます。炉の温度を150℃程度に設定し、その温度のまま1時 間ほど焼きます。次に設定温度を700℃程度まで上げ、 2時間焼きます。 続いて設定温度を500℃程度まで下げ、さらに1時間焼きます。そうすると埋 没剤が、溶解した金属を流し込むのに適した温度になります。
シルバーを強い炎で溶かします。鋳造リングの温度が下がら ないよう、作業は手早く進めなければなりません。シルバーが溶解したら火 を消し、鋳造機のバネ仕掛けを外します。
このとき、鋳造リングの向きがず れているなど、鋳造機本体や器具類の設置過程に何らかの不具合があると、 溶解したシルバーが飛び散ることがあるので、鋳造機から少し離れてくださ い。鋳造機が完全に止まるのを待って、鋳造リングを取り出します。
鋳造リングを水の入ったバケツへ入れます。埋没剤が砕けて、鋳造された金属が現れます。歯ブラシにペースト状の 軽石粉をつkて鋳造面に残った埋没剤を擦り取り、きれいにします。
湯口を糸ノコで切り落とし、ヤスリをかけて仕上げます。
参考サイト:リベット締め(かしめ)
酸洗い