焼きなましは、金属を加工する前に熱して軟らかくするための工程です。 打つ、たたくなどの作業を経て金属が「加工硬化」を起こし、硬くて加工し場合にも、焼きなましを行います。金属はそれぞれ融点が異なるので、焼きなましの温度も金属ごとに変えなければなりません。その他の金属、金合金や銀合金、特に鋼は、加工硬化を起こすので、一定の間隔で焼きなましを行うことが必要です。
写真1:バーナー作業
バーナーにいくつかの種類があります。 バーナーを使うときは、炎の中心部を金属の表面に吹き付け、金属がちょうどよい色に変わるまで待ちます。金属を高温に熟してい間は温度を計ることができませんが、高温になるにつれて色が変化するので、色を見れば見当が付きます。
写真2:バーナー作業
ロウ付けでバーナーを使うときは、カーテンを閉めて直射日光が作業机のライトも消しましょう。 金属の焼きなましには炉も使えますが、一般には、炉が適切な温度に達するのを待つよりバーナーを使う方が速くて実用的です。線をなます場合、バーナーで炎をあてると溶けてしまうので作業が困難です。線は、使い古しのブリキ缶に巻き入れ、あらかじめ熱しておいた炉に1~2分入れれば、なませます。
<焼きなましの温度と冷却方法>
金属 | 焼きなまし温度 | 融点 | 冷却方法 |
---|---|---|---|
銅 | 600~700℃ | 1085℃ | すぐに水冷 |
シルバー | 600~650℃ | 960℃ | 930℃以下で水冷 |
ゴールド | 600~750℃ | 1064℃ | - |
ホワイトゴールド | 600~750℃ | 1670℃ | - |
プラチナ | 600~1000℃ | 1769℃ | 室温で冷まして、水冷 |