彫金講座

曲げ加エ

金属を曲げて成形すると、作品にふくらみが加わると同時に、想像以上に魅力的な光の反射効果が楽しめるようになります。 カープし、屈曲し、ねじれた部分は、ポイントとして視線を引き付けますが、最大限の効果を引き出すためには、曲げた部分をできるだけ滑らかに美しく仕上げ、流れるような動きを実現することが大切です。
万力
写真1:万力
万力で金属を支えるときは傷が付かないように、はさみ口の内側にあるギザギザした部分にテープを数枚重ねて貼るか、またはなければなりません。万力の中には、はさみ口がプラスチック製のものもあります。作業にとりかかる前に、曲げ加工を施したい部分と丸みの大きさを、正確に決めます。曲げ加工では、作業で思った通りの曲げ効果を目指さなければ なりません。線をまっすぐにしたり、曲げたりするには、ニッパーや丸ヤットコなどを使います。しかし金属は曲げるよりもまっすぐ伸ばすほうが難しく、金属板の曲げ延ばしを行うときは、ローラーを使うときももあります。

ローラーを使った曲げ加工
写真1:ローラーを使った曲げ加工

線をまっすぐに伸ばす
金属の加工では、まっすぐな線、 または平らな板を曲げる方が、まっすぐ伸ばすよりずっと簡単です。線は通常、比較的大きなコイル状にゆるく巻かれて販売されており、これ ならまっすぐに伸ばす必要はありません。

たとえば金具などの、張りの強さが求められるパーツでないかぎり、曲げ加工には必ず十分に焼きなました金属を使います。いったん 加工硬化を起こした金属は、正確に 曲げることがたいへん難しくなります。焼きなました金属と硬い金属は、指で触れれば違いがわかります。よ じれた部分のある線、または以前に曲げ加工を施されたことのある線は、次ページに紹介した方法で伸ばせます。もしくは、焼きなまして水冷し、乾かしてから伸ばす方法もあります。その際は、線の一方の端を 万力でしっかり固定し、もう一方の 端をヤットコでつかんで、線を手前 にぐっと引きます。まっすぐになると、線が少し長くなったことが感じられるはずです。

金属の板を平らにする
滑らかな鉄板を2枚用意し、焼きなました板を間にはさみ込みます。 鉄板はどちらも、平たくしたい板より大きいものを使います。これらの面を上からハンマーで強く叩きます。その際は、必ずハンマーの打ち面が金属より大きいことを確かめてください。そうでないと、金属の柔らかい表面にハンマーの跡が残ってしまいます。

参考サイト:テクスチャー仕上げ
エッチング

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