彫金講座

ロウ付け

貴金属は通常、それぞれの貴金属に適する種類のロウを使って接合します。 地金は、ロウ付けする前に徹底的に洗浄し、表面の酸化被膜や油脂分をすべて取り除かなければなりません。
<フラックス>
ロウを流れやすくするためには、補助剤が必要です。それがフラックスです。フラックスは、接合部を空気に触れさせないことで、バーナーの熟による酸化を防ぐ溶剤です。
ロウ付け作業
写真1:ロウ付け作業

<ロウの種類>
■エナメリング(Ename=ng)ロウ
融点がもっとも高く、シルバーの融点である890℃に近い810℃前後まで熟することが必要なので、トラブルが生じやすいロウです。

■ハード(Hard)ロウ(高温ロウ)
ロウ付け箇所が複数ある場合は、ハードロウから使います。ロウ付け箇所が多い場合は、慎重を期するなら、ミディアム(medium)ロウやイージー(easy)ロウに移る前に4~5回ハードロウを使っても構いません。

■イージー(Easy)ロウ(低温ロウ)
このロウの融点は670℃前後です。市販の留め金具や各種の付属品、丸カンなどのロウ付けに使われるほ か、接合部が1ケ所しかないパーツ、たとえばシンプルなリングなどのロウ付けに使われることもあります。

■エクストライージー(Extraeasy)ロウ(早口ウ)
この種のロウは、緊急時の最終手段として使うのみにとどめてください。融点が非常に低く、色は黄色っ ぼいグレーです。

<その他の用具>
ロウ付け作業中は、断熱タイプのピンセットかチタン製のロウ付け誘導棒を、空いている方の手に持って おきます。カラゲ線を使うと、ロウ付け対象物を固定しておくことができます。

<ロウ付け作業>
ロウ付け対象物は、木炭ブロックかロウ付け台にのせます。 フラツクスは、ロウ付けする箇所の表面および内側に丁寧に塗らなければなりません。 面にロウを置かなければなら場合は、フラックスを乾かすと、ロウが付着しやすくなります。 ロウ付けでは、全体がロウ付け温度に達しないと、銀ロウが流れはじめません。

<チェーンのロウ付け>
チェーンのロウ付けでは、連結された数個のパーツを同時にロウ付けすることができます。 木炭ブロックに最大4つまでのパーツを平らに広げ、ロウ付けするすべての接合部が他のパーツに触れないようにします。

ロウの小片を用意し、ホウ砂で作った水分が少なめのフラックスにこのロウを浸します。接合部にフラツクスを塗ると同時に、それぞれにロウを置くことができます。

参考サイト:スタンプワークと金型成形
緑青付けといぷし仕上げ

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