金属の細い線や小さな板を、美しく磨き上げた面に、それとコントラストの効いた金属などをはめ込み、 模様や絵柄を施す伝統技法を象眼といいます。
<下地金属>
後からはめ込むワイヤーとのコントラストが映えるような金属を下地に使います。厚みは、0.8~1mm以上は必要です。ワイヤーをはめ込む深さの溝を彫っても背面に響かないだけの厚みです。
<ワイヤー>
丸線または角線のいずれも使えますが、よく焼きなましをすることと、溝とびったりサイズを合わせること が大切です。
<エ具>
下地金属に溝を彫るときは、ダガネを彫金用ハンマーでたたきます。タガネの持ち方は、トレーシングタ ガネと同じです。象眼で1番大事なのは、溝の彫り方です。溝は、下部をえぐるように彫らなければなりません。迫り出した溝の緑は、ワイヤーをはめ込んだらハンマーでたたいてかぶせ、ワイヤーを固定します。
<ワイヤーのはめ込み方> ワイヤーの一方の端を、タガネで彫った溝の開始点に合わせ、タガネでしっかりと奥までたたき入れ ます。溝に沿って作業を進めていくと、タガネで押し込まれたワイヤーが、少しずつ溝の中に固定されてい きます。